今月の表紙
胸水(膿胸)の検査
小栗 豊子
1
,
三澤 成毅
1
1順天堂大学附属病院臨床検査部
pp.214
発行日 1999年3月1日
Published Date 1999/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903731
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症例 患者は62歳,女性.1995年にSLEと診断.1998年7月,咳嗽出現,SLEに伴う間質性肺炎の増悪が疑われたため入院.ステロイド剤と免疫抑制剤の長期間投与を受けていた.CTで左肺底部に異常あり,胸部超音波の検査で胸水と判明.エコー下穿刺で膿性の胸水が得られ,膿胸と診断.起炎菌検査のため胸水が提出された.このときの患者の体温は37℃.
材料の外観と塗抹検査:胸水(写真1)は膿性,灰白色であるが,わずかに褐色調を帯び,強い粘稠性があり,悪臭は認めなかった.胸水のグラム染色(写真2)では多数の白血球のほか,木の根のように分枝したグラム陽性桿菌が少数認められた.
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