技術講座 免疫
血清補体価(CH50)測定法
岩田 進
1
1日本大学医学部附属板橋病院臨床検査部
pp.741-746
発行日 1998年8月1日
Published Date 1998/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903576
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新しい知見
補体価測定は,補体が抗原抗体複合体に関与して組織損傷を引き起こす性質を利用して,抗ヒツジ赤血球抗体でヒツジ赤血球を感作し,補体によるヒツジ赤血球の損傷(溶血)の度合いにより測定してきたが,ヒツジ赤血球には個体差があったり,希釈など操作が煩雑で問題がある.このヒツジ赤血球の代わりにリポソーム(人工脂質二重膜)を利用した方法が確立された.
ジニトロフェニル基(DNP)を固定したリポソーム表面上に抗DNP抗体が反応すると,補体が活性化しリポソーム膜が損傷される.すると,リポソーム内にあるグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G-6-PDH)が基質中のグルコース-6-リン酸(G-6-P)およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型(NAD)と反応する.するとNADがNADH(還元型)になり,このときの吸光度変化から補体価を求める.
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