免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際
10・細胞性免疫
③フローサイトメトリー
高橋 英則
1
,
吉田 象二
2
1旭中央病院中央検査部
2旭中央病院内科
pp.908-911
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204642
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はじめに
近年,リンパ球をはじめとする単細胞の膜表面抗原の解析手段は格段に進歩している.これらの進歩を支えているものとしては,細胞工学的手段によって次々と世に送り出されるモノクローナル抗体の開発と,フローサイトメトリーの開発が挙げられる.この両者の組み合わせによってレセプター分子を含む種々の細胞表面抗原の微細な解析に画期的な威力を発揮し,免疫不全症,自己免疫疾患,白血病,腫瘍,移植などの疾患で重要な情報を提供している.今日ではフローサイトメトリーによるリンパ球の分類法は,従来のヒツジ赤血球を用いるロゼット法や表面免疫グロブリンの検出による方法にとって代わり,臨床検査に取り入れられている.
本稿ではフローサイトメトリーを用いたリンパ球表面抗原の解析法について,主としてその原理,方法論を中心に概説する.なお細胞の分化,働き,臨床応用についてはほかに優れた総説があるので,それらを参照していただきたい.
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