技術講座 生理
高齢者にみられる不整脈
三田村 秀雄
1
1慶應義塾大学医学部呼吸循環器内科
pp.937-943
発行日 1997年10月1日
Published Date 1997/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903249
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新しい知見
加齢に伴う心筋や刺激伝導系の変性や,自律神経バランスの変化などによって高齢者では心房細動/粗動や,洞結節機能不全,房室ブロックなどが多く観察される.高齢者では不整脈に伴う症状が少なかったり非典型的なこともあり,気づかれにくい反面,不整脈の結果,脳梗塞や心不全などの重篤な合併症をきたすことも多い.また,めまい,失神は骨折などの外傷を招き,著しくQOLを低下させることにつながる.高齢者に対する薬物療法では,催不整脈作用,陰性変力作用,その他の副作用が問題となるが,最近では高周波力テーテルアブレーションのような非薬物療法で対応できる不整脈の種類が増えつつあり,抗不整脈薬は限られた症例に注意深く投与すべきである.
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