オピニオン
臨床検査医と病理医
関口 進
1
1前:防衛医科大学校検査部
pp.664
発行日 1997年7月1日
Published Date 1997/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903181
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- 文献概要
読者の皆様はよくご存じのことだが,今,臨床検査医と病理医の間で新しい関係ができつつある.臨床検査医は日本臨床病理学会の認定医であり,病理医は日本病理学会が認定している.この両専門領域は似て非なるものというべく,異なっている.すなわち,いわゆる検体検査を主とした業務を専門とする医師を臨床検査医(clinical pathologist;CP),病理検査を専門とする医師を病理医(anatomical pathologist;AP)といっている.不思議なことに,健康保険上では病理は検体検査と別のカテゴリーに含まれている.
今起こっている新しい関係とは,このAPとCPの両方の専門を兼ね備えた医師をつくろうというわけである.大学では国公私立医大のほとんどが臨床検査医学講座,臨床病理学講座を認めているが,これはCPで,APは大学の病理学教室,病院病理部または中央検査室の一部門の中に存在する.しかし,一般病院ではAP,CPと別々に定員化して採用している施設はほとんどなく,APが常勤で病理をやりながら,検査室の運営を検査部長として任されている施設が多い.APは以前から病理標本を見て診断を下すことが“医行為”として認められ,病理診断料として保険にも収載されていた.
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