臨床医に役立つ実践病理診断 病理医から臨床医へのメッセージ・1【新連載】
臨床医と病理医の連携のために必要な病理組織検索
柳澤 昭夫
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1京都府立医科大学大学院 人体病理
pp.513
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100289
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病理診断の目的には,「現時点で必要な診断」と「将来的に役立つであろうことを前提とした診断」の2つの目的がある.前者は,目の前の患者さんの臨床診断・治療に直結し,後者は,多数の集計を通じて臨床診断・治療に有益となることを期待してなされるものである.
本連載では,どちらかというと前者の「現時点で必要な診断」に主眼を置いたものである.各腫瘍の肉眼所見・組織学的所見をわかりやすく解説することにより,それらの所見が臨床画像にどのように反映されているか,また,反映されうるかを理解するうえで有益になることを目的として企画された.臨床画像を正しく,容易に診断するためには,「画像がどのような腫瘍の肉眼像をもとに構成されているか」,「その肉眼像はどのような組織形態をもとに構成されているか」,また,「その組織形態はどのような細胞の性状のもとに形成されているのか」などについて理解しておくことが重要であり,これらを中心に解説される予定である.
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