増刊号 輸血検査実践マニュアル
各論
輸血臨床
輸血業務管理
比留間 潔
1
1東京都立駒込病院輸血科
pp.214-221
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903142
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はじめに
病院輸血部門の主たる業務は患者に安全な輸血用血液を供給することであるが,医療の発達に伴い輸血業務も多様化している.例えば,近年,造血幹細胞移植や各臓器の移植術が発展し,このような移植医療に関する輸血部門の業務も増えている.輸血療法の本質は同種(allogeneic)細胞の移植であり,輸血部門は基本的に同種細胞の保管や適合性の検査に精通した中央部門であるから必然的な結果といえよう.
Association of American Blood Bank(AABB)発行のstandardsのよれば1),輸血業務には輸血用血液に関する業務のほかに,移植臓器の組織適合検査,造血幹細胞移植および移植臓器の保管が含まれている.したがって,本稿では主として輸血用血液に関する業務管理について述べるとともに,造血幹細胞移植および臓器移植に関しても若干言及する.
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