増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 10 血液検査データに影響を及ぼす治療法
1.輸血
比留間 潔
1
1東京都立駒込病院輸血科
pp.977-979
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905536
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はじめに
輸血療法は減少した血液成分を補正するために行われるので,輸血を行えば当然のことながら血球算定検査値や血液凝固検査値が変化することになる.近年では輸血用血液の有効利用のために成分輸血の考えかたが浸透し,不足する血液成分を重点的に補充することが原則である.したがって,むしろ改善させる目的を決めて輸血する量を決定し,必要以上に輸血しないことが重要である.
一方,不測の事態により血液型不適合輸血が行われた場合は,溶血などの副作用のために血液検査値が変化することもある.本稿では輸血により補正される血液検査値の変動および輸血副作用が生じた際の血液検査値への影響について解説する.
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