輸血検査メモ
コロニー形成試験
池淵 研二
1
1北海道赤十字血液センター
pp.189
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903133
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造血幹細胞移植療法が一般化するに従い,移植サンプル中の造血再構築を誘導する造血幹細胞および前駆細胞の測定法が重要になってきた.前駆細胞はin vitroアッセイ系で1つの細胞から50個以上の細胞集団を形成する元の細胞として測定できるが,幹細胞は通常,細胞周期上静止期(Go期)に属し,自己複製しながら前駆細胞を生み出す細胞であると定義され,in vitroのアッセイ系はいまだ完成していない.ここではin vitroの造血前駆細胞アッセイについて実践的な留意点について解説したい.
アッセイ系を組むための最重要項目は優良なウシ胎児血清(fetal calf serum;FCS),ウシ血清アルブミン(bovine serum albumin;BSA)の選定である.できるだけ大きな赤芽球バースト(BFU-E)顆粒球/マクロファージコロニー(GM)形成を支持するロットを丹念に選択する.貧弱なアッセイ系ではコロニーなのかクラスターなのか判定できないことになる.FCSは56°で30分間非働化して用いる.BSAは粉末を超純水に重層し1晩冷蔵で冷やす.Mixed Resinを加え脱イオン化し,2倍濃度のメディウム等量を加え,0.45μmのフィルターで濾過し凍結保存する(終濃度10%).使用時重層を加えpHを7.2〜7.4に調整して用いる.
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