増刊号 輸血検査実践マニュアル
各論
血液型
供血者の検査—血液センターにおける血液型検査を中心に
神谷 忠
1
,
佐藤 陽子
2
,
倉知 透
2
,
村瀬 隆治
3
1愛知県赤十字血液センター
2愛知県赤十字血液センター・品質管理
3愛知県赤十字血液センター・検査一課
pp.174-181
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903130
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はじめに
ABO血液型がLandsteinerによって発見されて約1世紀たったが,その間,Rh血液型など種々の血液型が発見されるとともに,検査技術が向上し,それら抗原の構造の解明が行われてきた.さらに近年では,遺伝子解析も進められている.
しかしながら,検査技術の進歩にもかかわらず,まだ年間数例の血液型不適合輸血による事故が起こっている.これらの事故は医療機関における患者検体の取り扱いミスや,夜間当直時の不慣れな技術者による誤判定,成績書への記入ミスなど1,2)による患者の血液型の誤判定の起因するものが多い.また,適合血の選択間違いから,輸血用血液による副作用も報告されている3).そのため,医療機関では輸血事故防止のため,検査手順の改善や管理体制の整備が進められている.
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