綜説
血液事業の現状,とくに供血源対策について
小玉 知己
1
1厚生省薬務局細菌製剤課
pp.687-691
発行日 1962年12月15日
Published Date 1962/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202608
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I.輸血事業の形態
医療ことに外科的手術に使用される血液量は,例えば胃癌で胃全剔手術を行なった場合には平均2,881ccの輸血が必要であり,最近よく行なわれる肺区域切除術や人工心肺による心臓手術等には6,000cc以上にもおよぶ輸血がなされることがある,このように医療を行なう上に血液は欠くことができないものであり,血液の利用は毎年増加の一途をたどっていることはご承知のとおりである。
血液はもち論新鮮なものほど輸血には好都合であるが,大量の血液を一時に集めることは困難でもあるので,血液に保存液を加えこれをびん中に貯臓しておき,いわゆる保存血液として利用する方法が増々普及している。
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