技術講座 輸血
母子間血液型不適合妊娠検査
和田 惠美子
1
,
鈴木 義一
1
,
戸栗 恭子
1
,
小坂 邦子
1
Emiko WADA
1
1東京女子医科大学附属第二病院輸血部
pp.909-917
発行日 1996年10月1日
Published Date 1996/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902893
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新しい知見
胎児・新生児溶血性貧血(HDN)の予防のためには妊婦の赤血球不規則抗体のスクリーニングが重要である.地域や施設ごとに取り組みが行われている.妊娠初期に抗体が確認できれば,その抗体の胎児に与える影響の予測が可能である.一方,胎児の側では,超音波検査により診断技術が向上した.羊水検査や臍帯血採取による胎児の貧血の評価や抗体検査などから,胎児治療に結びつけている.
最近では超音波ガイド下に臍帯静脈からの胎児輸血,胎児交換輸血が行われ,体外生活が可能になるまで妊娠を継続させられるようになってきている.Rh陰性の未感作女性に対しての輸血や流産などに対する医療処置には,特に配慮が必要である.
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