増刊号 感染症検査実践マニュアル
Ⅴ.各種検査法の特徴とその適応と限界
1.塗抹検査
森 伴雄
1
1三井記念病院中央検査部
pp.62-64
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902741
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はじめに
わが国の臨床細菌検査は培養同定にかなりの労力,経費をかけるが,臨床材料の外観や塗抹検査はとかく軽視されている.臨床医からの依頼がない場合には塗抹検査を省略している検査室も少なくない.果たしてこのような検査で,正確で迅速な検査報告ができるだろうか.塗抹検査にはグラム染色をはじめ,微生物の菌体構造(芽胞,莢膜,異染小体,鞭毛など)や特定菌を目的の特殊染色(抗酸菌染色,ラクトフェノール・コットン青染色,トルイジン青-O染色,グロコット染色,PAS染色など)があるが,ここでは誌面の都合上,グラム染色鏡検について述べる.
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