技術講座 病理
髄液の細胞検査
𠮷村 英雄
1
Hideo YOSHIMURA
1
1大阪大学医学部附属病院病理部
pp.121-126
発行日 1996年2月1日
Published Date 1996/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902618
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新しい知見
脳脊髄液(以後,髄液と略す)中の細胞は変性しやすく,塗抹標本上で細胞形態を観察することは困難であったが,細胞保持の良好な塗抹標本作製法が考案されて以来,髄液中の細胞形態の解析が可能になった.そして,電子顕微鏡や免疫細胞化学的手法を用いた形態と機能の両面からの詳細な検討も加えられ,腫瘍性髄膜炎における腫瘍細胞の検出や,白血病の治療効果や再発の有無の判定をはじめ,迅速で的確な対応を必要とする中枢神経系の感染症例においても,髄液細胞の動態が臨床病期を反映することが確認され,髄液の細胞検査は各種の神経疾患の診断,治療に必須の検査となっている.
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