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比較遺伝子競合法
坂本 優
1
,
岩渕 浩之
1
,
作永 穂高
1
,
杉下 匡
1
,
天神 美夫
1
1佐々木研究所附属杏雲堂病院婦人科
pp.1100-1103
発行日 1995年12月1日
Published Date 1995/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902583
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腫瘍は,種々の遺伝学的変化の蓄積により発生してくることが知られている.これらの遺伝学的変化には,染色体レベルの大きな変化(例えば染色体の欠失や増加など)から遺伝子配列レベルの小さな変化(例えば遺伝子配列の欠失や増幅,点突然変異など)が含まれる.
染色体レベルの大きな変化の検出には,従来より培養後得られた分裂期染色体の核型分析が行われている.しかし,固形腫瘍の場合,細胞培養により分裂期染色体を得ることが比較的困難であり,得られたとしても複雑な染色体異常を示すことが多く,解析の難しいことが多い.また,遺伝子配列レベルの小さな変化を検出する方法としては,Southern blotting, RFLP法,PCR-SSCP法などが知られている.しかし,このような分子遺伝学的方法は,あらかじめ検索したい遺伝子あるいは染色体領域が限定されており,それ以外の大部分の領域は見落とされているという弱点がある.
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