トピックス
最近の輸入寄生虫感染症
三瓶 孝明
1
1(財)東京都予防医学協会検査研究センター第二部
pp.823-825
発行日 1995年9月1日
Published Date 1995/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902506
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はじめに
わが国の寄生虫症は,第二次世界大戦後の混乱期(1946年当時)においては国民の約70%が蛔虫,鉤虫症というようななんらかの寄生虫に感染していた.
しかし最近(1993年現在)ではそれが蟯虫症を除いては0.12%(日本寄生虫予防会資料による)まで減少している.
さてこうして日本国内での寄生虫感染症は相次ぐ新薬の開発,診断技術の進歩,人々の生活が豊かになることによる栄養状態および環境衛生状態の改善などにより,確実に減少してきており人々から忘れられようとしている.しかし,わが国ではなくなりつつある寄生虫症も,東南アジアやアフリカ,中南米諸国などではなお多数のかつ重篤な寄生虫症が存在しており,これらが旅行者,あるいは輸入食品によって輸入される,いわゆる輸入寄生虫症が問題となっている.
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