トピックス
再生不良性貧血とHLA-DR2
中尾 真二
1
1金沢大学医学部第3内科
pp.452-453
発行日 1995年5月1日
Published Date 1995/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902405
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はじめに
再生不良性貧血(再不貧)は,多能性造血幹細胞がなんらかの原因のより減少した結果,骨髄低形成と汎血球減少を呈する1つの症候群である.わが国の再不貧の80%を占める特発性再不貧は,その約半数が抗胸腺細胞(リンパ球)グロブリン〔antithymocyte(lymphocyte)globulin;AT(L)G〕やシクロスポリン(CyA)などの免疫抑制療法の反応して改善することから,免疫学的機序が発症の関与していると考えられてきた.
ヒト主要組織適合抗原であるHLAは,多くの自己免疫疾患のおいて疾患のかかりやすさを決定していることが示されてきた.免疫学的機序が発症の要因と推定される再不貧でも,あるHLA抗原と発症との間に相関があることが予想された.
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