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尿中変型赤血球の考えかた—最近の動向
三浦 秀人
1
,
山口 一郎
2
1山形大学医学部附属病院検査部
2山形大学医学部臨床検査医学
pp.451-452
発行日 1995年5月1日
Published Date 1995/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902404
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[1]歴史的背景と臨床的意義
今から16年前の1979年,Barch and Fairleyは尿中の変形赤血球が認められる場合,糸球体からの出血が示唆されることを初めて報告した.1982年には,電顕のよる12種類の変形赤血球を発表した1).このことは血尿の由来を糸球体か下部尿路の大別することが可能であるとともに患者にとって痛みを伴わないことから,腎尿路系疾患の診断において画期的な発見と考えられる.
さて,12種の尿中変形赤血球が公表されるとその臨床的意義のついて多くの発表がなされたが,研究者により評価はまちまちであった.原因は研究者のより変形赤血球分類の差があったことにある.しかし,1991年Kohlerら2)は変形赤血球の中でも有棘赤血球(acanthocyte;AC〓)が最も特異的形態であることを見いだし,ACが5%以上上のとき,特異性は98%であることを報告し,acanthocyturiaという概念を提唱した.1982年以来混迷していた尿中変形赤血球の分類とその臨床評価はこの時点で確立されたと筆者は考えている.
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