増刊号 臨床生理検査実践マニュアル画像検査を中心として
Ⅱ.磁気共嗚画像検査法(MRI)
3.検査の実際
9)乳房
吉本 賢隆
1
1(財)癌研究会附属病院外科
pp.217-221
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902357
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はじめに
画像診断の目的は,病巣の検出,病巣の質的診断,病巣の拡がりの診断,に大別される.検査を進めるに当たっては,検査の目的をよく理解して,それぞれの目的に沿った検査法を選択して行わなければならない.何を画像化するのかが曖昧のまま検査に臨むと,決して良い画像が得られず,臨床的に無意味な検査となってしまうことはいうまでもない.
検査に当たっては,同時に他のいくつかの有力な検査法のあることを忘れてはならない.乳腺疾患に対する画像診断に関しては,マンモグラフィー,超音波,サーモグラフィ,乳管造影,乳管鏡などの画像診断法に加えて,細胞診,組織診などの病理診断法があり,日常診療の中で広く利用されているのである.MRI検査を行うに当たっては,他の検査法との比較の中でMRIの持つ利点と欠点をよく理解し,他の検査法では得られないMRI画像診断に心がけることが重要である.
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