増刊号 臨床生理検査実践マニュアル画像検査を中心として
Ⅱ.磁気共嗚画像検査法(MRI)
1.検査の意義
畑 雄一
1
1東京慈恵会医科大学放射線医学教室
pp.144-145
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902340
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MRI(magnetic resonance imaging)は核磁気共鳴現象(nucelar magnetic resonance;NMR)という物理現象を応用した画像診断装置である.MRIの基礎原理は1970年代初めにすでに確立されたが,それから臨床応用が本格化したのは約10年後の1980年代初めである.NMRは有機化合物の構造解析,生体内の代謝過程の追跡など広範な応用分野で利用される分析機器であり,当初は生理機能まで評価可能と期待された.このような分野における利用はMRスペクトロスコピーなどの研究はなされているものの,臨床で広く用いられるには至っておらず,現在の利用法の中心は画像診断においてである.
MRIの画像診断法としての利点には次のようなものが挙げられる.
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