増刊号 免疫検査実践マニュアル
各論
XI.細胞免疫
1.T・B細胞サブセット,血球表面マーカー
杉田 完爾
1
,
中澤 眞平
1
1山梨医科大学小児科
pp.352-354
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901992
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■血球表面マーカーの検出法
血球膜表面にある抗原が存在するかどうかを決定するためには,その抗原に特異的に反応する抗体(ポリクローナル抗体あるいはモノクローナル抗体)が用いられる.抗体を蛍光色素で標識したり(蛍光抗体法),酵素で標識したり(酵素抗体法),赤血球で標識したり(免疫ロゼット法)することによって,抗原に結合した抗体を検出する.抗原を認識する抗体(第一抗体)を標識する場合(直接法)と,第一抗体に対する第二抗体(例えば第一抗体がマウスの場合はマウス免疫グロブリンに対する異種抗血清である家兎抗マウス抗体など)を標識する場合(間接法)がある.各方法には長所と短所があるが,血球膜抗原の検出法として最も広く用いられている方法は,モノクローナル抗体を用いた直接あるいは間接蛍光抗体法で,フローサイトメーターを用いて蛍光陽性細胞を検出し,カウントする.異なる抗体を異なる蛍光色素で標識すれば,同一細胞表面に存在する2種あるいは3種の抗原を同時に検出することもできる(ダブルあるいはトリプル染色法).
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.