増刊号 免疫検査実践マニュアル
各論
Ⅷ.感染症
3.ウイルス感染症の免疫検査
(7)ウイルス性急性胃腸炎
今村 宜寛
1
,
新宮 正久
1
1久留米大学医学部ウイルス学講座
pp.304-307
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901978
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ウイルス性急性胃腸炎(下痢症)は日常しばしば遭遇するありふれた疾患である.頻回の下痢,嘔吐および発熱をきたし,乳幼児においては脱水症の合併によって入院を要することもあり小児科領域では重要である.現在,下痢症の起因ウイルス1〜3)として特に検出頻度が高いのは毎年,冬期(11〜3月)に多発するロタウイルス(human rotavirus;HRV)および年間を通じて検出される腸管アデノウイルスである.しかし,これとは別に表1に示したようにSRV(small round virus)と総称される小型球形ウイルスも関与していることもある.
近年,免疫学的検査法の開発4〜6)により抗原の証明が以前に比べ容易になり,専門機関以外の一般の診療所においてもスクリーニングが行えるようになった.
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