検査データを考える
SLEと抗核抗体
天野 宏一
1
,
竹内 勤
1
1埼玉医科大学総合医療センター第二内科
pp.611-615
発行日 1993年7月1日
Published Date 1993/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901625
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はじめに
全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus;SLE)をはじめとする全身性結合織疾患(いわゆる膠原病)では,患者血清中に多種多様な抗核抗体が検出され,膠原病の診断に欠かせないものとされてきた.
しかし,抗核抗体の測定法の改良により,スクリーニング検査として用いられている間接蛍光抗体法(FANA)では,肝疾患など膠原病以外の患者や,健康診断で得られた健常人の血清中にも抗核抗体が約20%存在することがわかってきた.その力価は低い(FANAで160倍以下)場合が多いが,FANAの成績のみでは,一部の特異的パターンを除けば,膠原病各疾患の診断には不十分である.
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