増刊号 臨床化学実践マニュアル
V.分析基礎技術
7.蛍光および発光分析法
蛍光および発光分析法
前田 昌子
1
,
辻 章夫
1
1昭和大学薬学部
pp.304-308
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901555
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■蛍光分析法
1.蛍光とは
物質にある波長の光を照射するとき,光の吸収に伴って光を放射する現象を蛍光という(図1).この場合,光の照射を止めるとすぐに光も出なくなる.ところが硫化バリウムの粉末に紫外線を照射すると,黄色に光り紫外線の照射を止めてもしばらくの間光っている.このような現象をリン光という.一般に蛍光もリン光も照射した光の波長に比べて放射される光の波長は長い.
図2に分子のエネルギー状態を模式的に示す.光が照射されていないときは,分子は最低のエネルギー状態(基底状態:S0)にあり,光を照射すると光のエネルギーを吸収して分子は高いエネルギー状態(励起状態:S1,S2…)になる.
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