増刊号 臨床化学実践マニュアル
V.分析基礎技術
6.免疫学的測定法
(1)RIA
小林 久江
1
,
若林 克己
1
,
小林 功
2
1群馬大学内分泌研究所附属ホルモン測定センター
2群馬大学医学部臨床検査医学
pp.293-297
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901553
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
ラジオイムノアッセイ(RIA)は,1958年にBersonとYalowによって確立された測定法である.この方法は特異的な抗原と抗体の結合を利用し,また放射性同位元素は簡単に微量でも測定できるという特徴を組み合わせたもので多くの研究者の注目を集めた.測定できる物質も,初期のころのペプチドホルモンから,現在では各種非ペプチドホルモンや薬剤,酵素,ウイルス抗原や抗体,腫瘍抗原,血清蛋白成分,微量生体成分まで広範囲にわたっている1).
近年,モノクローナル抗体の作製方法が進歩・普及し,免疫放射定量測定法(immunoradiometric assay;IRMA法)が開発され,臨床的にもその有用性が高く評価されるに至っている.この方法は,従来の競合型のRIA法に比べ,利点も多く,時代の流れはIRMA法に移行していると思われるので,本稿ではIRMA法を主として取り上げることにした.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.