増刊号 臨床化学実践マニュアル
II.日常検査における異常値への対応
6.酵素成分
(8)AMY,AMYiso
佐々木 弘子
1
1日本歯科大学新潟歯学部中央検査科
pp.138-139
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901515
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はじめに
ヒトのα-アミラーゼ(α-amylase EC 3.2.1.1;AMY)には,遺伝子支配の異なる膵型(P型)と唾液腺型(S型)の2種類のアイソザイムがあり,それぞれ主に膵臓・唾液腺で産生されるが,微量ながら他の臓器にも存在する.両アイソザイムの分子量は54,000〜64,000で,若干P型のほうが小さい.
健常成人におけるアイソザイム比は,血中では若干S型優位(筆者らのP型AMYの正常値は25〜62%),尿中では逆に排泄率の違いからP型優位である.乳幼児では生理的に血清レベルが低く,血中・尿中ともにS型優位である1).
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