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I.Pituicyteの光学顕微鏡的研究
Pituicyteとは神経性下垂体(下垂体後葉)にあるグリア細胞のことである。この名称は1930年シカゴ大学の外科学教室のBucyt1)が,ウシの下垂体後葉のグリア細胞に対して命名したものである。日本語に翻訳する場合には,この語をそのまま直訳すると下垂体細胞となるので,腺性下垂体とくに前葉細胞との混同が起こる。そこで"pituicyte"と原語のまま用いるか,あるいは「後葉細胞」と訳している。
Bucy1)によれば,この細胞はmicrogliaおよびoligodendrogliaに対するHortegaの染色のPenfieldの変法によってよく染まるけれども,astrocyte,microglia,oligodendrogliaのいずれとも形態学的には似ていない。しかし下垂体後葉には,どのような染色法あるいは鍍銀法によっても,紳経細胞を発見することはできない。Pituicyteはさまざまな長さの突起を出していて,その突起はしばしば結合組織に終っている。下垂体柄では多くのpituicyteは双極性あるいは単極性であるが,後葉では不規則形となり,多極性が多い。ウシのpituicytesは細胞質中に多数の粗大な色素果粒を含み,新鮮材料で薄い緑褐色あるいは黄色を呈する。彼はこれがmelaninではなくlipofuscinではないかと言っている。
Pituicytes are thought to be a kind of glial cells found in the neurohypophysis (posterior pituitary). Historical review on the papers on this cell type of neuroglia studied by light and electron microscopy was given. The lipid droplets characteristically found in the pituicytes of the rat neurohypophysis are evidently increased after water deprivation.
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