検査データを考える
単球増多
廣川 誠
1
,
三浦 亮
1
1秋田大学医学部第三内科
pp.159-162
発行日 1993年2月1日
Published Date 1993/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901408
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
単球は末梢血白血球の1〜9%を占め,成人においては一般的に,絶対数で800/μl以上を単球増多症としている.単球増多を伴う疾患は非常に多いが,その病態は大きく反応性と腫瘍性に分けることができる.この2つの病態を末梢血液学的検査から推定し,骨髄穿刺をはじめとする血液学的精査の適応を決めることは日常診療上,極めて重要である.反応性単球増多症の病態生理の解明は,過去十数年間における造血幹細胞および造血因子の発見とその研究によるところが大きい.本稿では,まず単球の分化・増殖およびそれにかかわるサイトカインについて述べ,次いで,反応性および腫瘍性単球増多症の鑑別,そして最後に単球系細胞の増多を伴う代表的な造血器腫瘍症例を呈示する.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.