今月の表紙
婦人科病変とヒトパピローマウイルス感染
古田 則行
1
,
都竹 正文
1
,
坂本 穆彦
2
1癌研究会附属病院細胞診断部
2東京大学医学部病理学教室
pp.71
発行日 1993年1月1日
Published Date 1993/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901380
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分子生物学的手法(サザンブロットハイブリダイゼーション法,in situハイブリダイゼーション法,PCR法)によって,現在約70種のヒトパピローマウイルス(human papilloma virus;HPV)が確認されている.婦人科領域の病変では,HPV-6,11,16,18,31,33,35,52,56,58型などが関与していることがわかった.そのうちHPV-6,11型は外陰部に好発する尖圭コンジロームに,16型は頸部扁平上皮癌,上皮内癌に,18型は頸部腺癌に,そのほかの型では異形成に多く検出され,病変発生に,また癌化に関与していることがわかってきた.HPV感染の有無は分子生物学的手法によるHPV-DNA検出が必要不可決とされている.しかし,細胞診的にもHPV感染細胞所見を示す例では,感染所見の特異性,出現率,各所見の組み合わせによって,HPV感染の有無は十分判定可能である.
HPV感染細胞所見として挙げられる細胞と細胞の定義,特徴を以下に述べる.
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