検査ファイル
血中ヒアルロン酸測定法
近藤 孝司
1
,
秩父 賢司
1
1中外製薬(株)診断科学研究所
pp.538
発行日 1992年6月1日
Published Date 1992/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901197
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
ヒアルロン酸(HA)はN-アセチルグルコサミンとD-グルクロン酸が交互に直鎖状に結合した高分子多糖体で,生体中では臍体,硝子体,関節液,軟骨などに多く存在する.近年,慢性関節リウマチ,肝硬変などの疾患において,血中HA濃度が上昇することが報告され,血中HA測定の臨床的意義が明らかにされつつある1〜6).血中HAが上昇する主な原因についてはRAでは滑膜での産生亢進,肝硬変では肝臓がHAの主な代謝臓器であることから肝臓中での血中HAの分解能の低下などによることが考えられている.今回,HA結合性蛋白(HABP)を固相(ビーズ)および標識体に用いた非放射性で簡易かつ再現性のよい血中HA測定法が開発された7)ので,その概略を述べる.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.