今月の主題 制癌剤と臨床検査
技術解説
メトトレキセートの血中濃度測定法
藤本 孟男
1
Takeo FUJIMOTO
1
1愛知医科大学小児科学教室
pp.1047-1052
発行日 1987年10月15日
Published Date 1987/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913423
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臨床薬理学の進歩に伴って,癌治療学の分野においても薬物の血中動態にもとづいて薬物濃度を腫瘍細胞内により多く移行させ選択毒性を向上させる研究が行われている.MTX大量療法は細胞の内外の濃度勾配により受働的膜輸送によっても薬物の細胞内移行を増大させる画期的な治療法であるか,つねに内在する重篤な副作用があり血中濃度モニターが必要である.
MTX測定法には種々の方法があるが,臨床的にベッド・サイドでモニターする手段としては迅速かつ簡単な方法でなければならない.著者らが行っているeznyme inhibition assay (EIA)法,高速液体クロマトクラフィー(HPLC)法を中心に解説した.
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