増刊号 尿検査法
II.各論
23.微生物検査
3)尿路感染症の生化学的検査
中川 卓夫
1
1小白川至誠堂病院検査科
pp.290-291
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901154
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
尿路感染症(urinary tract infection;UTI)のスクリーニングには,尿中白血球と尿中細菌の検出が不可欠である.これらを化学的に短時間で検出する方法として,尿中白血球検出には好中球のエステラーゼ活性試験がある.一方の尿中細菌検出には,細菌の代謝産物によるTTCの還元発色をみるTTC法,尿中細菌や細胞のカタラーゼによる過酸化水素の分解発泡をみる尿カタラーゼ反応,細菌による尿中の糖減少や亜硝酸塩の生成などを検出する方法がある.
本稿では,普及度が高く,UTIの診断法に有用性があるといわれる試験紙法によるエステラーゼ活性と亜硝酸塩反応を中心に解説する1).
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.