増刊号 尿検査法
II.各論
19.ホルモンおよび関連物質
5)副腎髄質関連
(4)5-ヒドロキシインドール酢酸
重富 秀一
1
1福島県立医科大学第三内科
pp.226-227
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901129
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
5-ヒドロキシインドール酢酸(5HIAA)は,胃・腸管のエンテロクロマフィン細胞,血小板,脳,松果体,神経組織(5HT作動神経細胞)などに含まれているセロトニンの代謝産物である(図).セロトニンは,体内で速やかに5HIAAに変換され,90%以上が尿中に排泄されるので,尿中5HIAAは生体のセロトニン分泌量をよく反映すると考えられる.日常の臨床では,セロトニン過剰分泌による顔面紅潮,下痢,浮腫など多彩な症状を有するカルチノイド腫瘍(消化管腫瘍)の診断のために尿中5HIAAの測定を行うことが多い.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.