増刊号 尿検査法
II.各論
3.尿蛋白
(5)ベンス ジョーンズ蛋白
大谷 英樹
1
1北里大学医学部臨床病理学教室
pp.82-83
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901075
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はじめに
免疫グロブリンフラグメントのひとつであるベンスジョーンズ蛋白(Bence Jones protein;BJP)は,通常2量体(ダイマー;dimer)として存在し,分子量は44,000と小さいため糸球体から容易に濾過され尿中に排泄される.したがって,BJPは血清よりも尿のほうが証明しやすい.
BJPは,単一のL鎖からなるので,単クローン性L鎖(monoclonal light-chain)とも呼ばれ,免疫グロブリンと同様に2つの型に区別される.すなわち,BJP-κとBJP-λである.他方,構造上多少異なった数多くのL鎖からなる多クローン性(polyclonal)L鎖があり,免疫電気泳動によりBJPと区別することが可能であるが,両者の鑑別には注意を要する6).
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