増刊号 尿検査法
II.各論
3.尿蛋白
(1)尿蛋白
石本 二見男
1
1東京国税局診療所
pp.74-75
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901071
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はじめに
尿蛋白の有無をチェックすることは臨床検査の第一歩である.尿蛋白の検出はそれほどむずかしくはないが,“尿蛋白陽性”という事実の内容は広範で,かつ,時代とともに内容が増加している.
正常人の尿には,現行の臨床検査法では蛋白は検出されない.したがって尿蛋白陽性は「異常」である.しかしこれが即,腎疾患を意味するものではない.一般に膀胱尿(終末尿)に蛋白が出現する原因には図1のようなものがある.このなかには生理的蛋白尿や,腎・尿路系に異常が認められても特に処置の必要がない「異常尿蛋白」と,直ちに処置を必要とする「病的蛋白尿」が混在している.尿蛋白検査はこれらの鑑別を第一としており,このためいろいろな尿蛋白の検出・分析法が開発され,実地面で使用されている.
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