増刊号 尿検査法
I.総論
3.尿の異常
(5)血尿,ヘモグロビン尿,ミオグロビン尿
副島 昭典
1
,
長沢 俊彦
1
1杏林大学医学部第一内科
pp.34-35
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901058
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血尿は蛋白尿と並んでもっとも重要な尿異常のひとつである.肉眼的にも尿の色調の変化が認められる肉眼的血尿では,尿1,000 mlに対して1ml以上の割合で血液が混入しているといわれている1).肉眼的には尿に色調の変化が認められず,尿沈渣の鏡検で赤血球が認められる場合を顕微鏡的血尿という.試験紙法による尿潜血反応は試薬中の過酸化水素クメンが尿中ヘモグロビン(Hb)のペルオキシダーゼ様反応によって指示薬のオルトトリジンを酸化し,酸化型オルトトリジンに青変する反応を用いたものである.しかし,尿の潜血反応はきわめて鋭敏であるものの,血尿のみでなくHb尿,ミオグロビン(Mb)尿でも陽性を示すことに注意が必要である.
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