明日の検査技師に望む
より良き明日のために,今,臨床検査技師に何が求められるか?
松田 信義
1
1川崎医科大学検査診断学
pp.200
発行日 1992年3月1日
Published Date 1992/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900972
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医療の第三世代
医療というものが,本当に人間の苦痛をある程度まで取り除くことに成功して,近代医療といえるほどのものになったのは,今から170年ほど前のこととされている.ちょうど,その頃に聴診器が発明され,道具を使って診療するようになった.この道具の時代が,医療の第一世代で100年ほど続き,今世紀の初め頃より,こんどは機械を使うようになり,これが第二世代にあたる.機械の始まりは何といっても顕微鏡であるが,その後X線が開発され,そして心電図が普及してきた.
しかも,この30年余りの間に,臨床検査の全域にわたって,自動化機器(分析,計測)による検査が普及した.さらに検査の運用はシステム(コンピュータ)化され,知能ロボットによる検査も行われるようになっている.今はすでに,医療の第三世代が始まっている.この世代では,医療活動において,“考える”ことは,“解釈する”ことを,そして目に見えないはずのものを“画像にする”ことをコンピュータがやってくれることになる.それらの好例は超音波検査,X線CT,MRI(magnetic resonance imaging)などの画像診断にみることができる.
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