技術講座 一般
胸水・腹水中の細胞の見かた
稲垣 清剛
1
1安城更生病院臨床検査技術科
pp.1132-1140
発行日 1991年12月1日
Published Date 1991/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900893
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サマリー
胸・腹水中の細胞同定はその液が滲出性か濾出性,あるいは悪性腫瘍が関係しているのかを知るうえで欠くことのできない検査である.標本を作るうえでの検体処理は採取後速やかに行うことが大切で,性状がバラエティーに富む胸・腹水では塗抹方法もなおざりにできない.染色方法はメイ-ギムザ染色かライト-ギムザ染色が最も適している.出現細胞の中には類似の形態を示すものもあり,その鑑別には注意する必要がある.特に悪性細胞の出現率は高く,良性細胞との分別を的確にしなければならない.また,一般検査では悪性細胞は異型細胞として報告することが望ましく,一方では異型細胞は可能な限り悪性細胞のみにするよう心がけることが重要である.
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