検査法の基礎
検量線の回帰モデル
細萱 茂実
1
,
久米 章司
1,2
1山梨医科大学附属病院検査部
2山梨医科大学臨床検査医学講座
pp.418-422
発行日 1991年5月1日
Published Date 1991/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900595
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サマリー
臨床検査で用いられている定量分析法の検量線設定法について,回帰分析の立場から方法論の整理を行うとともに若干の考察を加えた.従来の臨床化学分析法は検量線が直線となる反応を主に扱っていたが,免疫化学分析法の進歩により検量線が曲線を示す反応が日常検査で多く用いられるようになった.検量曲線も検量直線の場合と同様に回帰分析の考えかたが前提となっているが,検量線が直線の場合に比べて扱いが複雑となる.特に回帰モデルの選択,回帰係数の算出,検量線の設定方法が測定値の誤差に与える影響などを適切に把握し管理していくことが,測定値の信頼性の維持・向上に直結する.これらの点は,測定法の比較評価の際に,また,日常検査の精度管理においても重要な点といえる.
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