検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
検量線からみた臨床検査の計測誤差について
広沢 毅一
1
,
細萱 茂実
2
,
金井 正光
3
1信州大学医療技術短大
2信州大学病院中央検査部
3信州大学中央検査
pp.590-595
発行日 1982年7月1日
Published Date 1982/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202535
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真値がхである目的成分の濃度または酵素活性などの定量値を,ある分析法で計測したときの読み値(比色計の読み値や分析機の出力値)をyとする.計測する試料により真値хはいろいろな値をとるが,それらの試料を計測したときの読み値yは
y=f(x)+ε(ただし,εは誤差)
で表わせるとすれば,関数f(x)を決めることにより,ある試料の真値xの推定値すなわち計測値は,その試料を計測したときの読み値yから求めることは可能であろう.この関数f(x)を検量線calibration curveといい,読み値から真値の推定値すなわち計測値を求めることを校正calibrationという.通常は検量線としてxの一次式f(x)=α+βxを用いる.このような線型モデルが想定できる場合の検量線からみた計測値の誤差(計測値と真値との差)について解説する.
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