検査ファイル
機器●骨塩分析装置
白木 正孝
1
1東京都老人医療センター研究検査科
pp.82-85
発行日 1991年1月1日
Published Date 1991/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900504
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
[1]目的
骨は加齢とともに減少する臓器である.骨が減少するのは骨マトリックスと骨ミネラルがともに減少するのであって,どちらか一方が偏って減少することは特殊な例を除いてない.したがって骨の減少過程は,骨ミネラルの密度を測定すれば,かなりの精度で検知しうる.骨は減少すると,支持組織としての能力を失い,微小な外力で骨折する.このような骨折が老年者に生ずると,老年者の日常生活能力を著しく障害する.したがって,加齢に伴う骨減少の程度を検知し,きたるべき骨折が予測される際には,これを予防し,治療することが重要である.
骨塩分析装置は,この目的に沿って,骨ミネラル(骨塩)の量または密度をin vivoで測定すべく開発された機器である.ちなみに,通常の加齢現象以上に骨が減少した状態を骨粗鬆症と呼ぶが,この疾患を診断する際には,必ず骨量の多少をなんらかの手段で判定すべきであるとされている(厚生省診断基準).すなわち,将来的には骨粗鬆症の診断は骨塩分析装置により定量的に示されるべきと考えられている.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.