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クロラムフェニコール(CP)耐性チフス菌
山口 剛
1
1東京都立駒込病院感染症科
pp.399-400
発行日 1990年4月1日
Published Date 1990/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900112
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戦前から戦後にかけて猛威をふるった腸チフス・パラチフス(腸・パラチフス)は,クロラムフェニコール(CP)の登場によって激減した疾病の一つである.腸チフス患者,保菌者は1980年以降200〜300人であったが,1988年は110人に,パラチフスは1985年以降100人を割り,1988年には33人に減少した.
最近,腸・パラチフスで特に注目されている点は,輸入例の増加と耐性菌の問題である.1988年の輸入例は腸チフス33例(30%),パラチフス19例(58%)である.主な感染地はインド,インドネシア,タイ,中国,パキスタンとなっている.
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