臨床検査のピットフォール
LAMP法による新型コロナウイルス遺伝子検査の注意点
土田 孝信
1
1横浜市立みなと赤十字病院検査部
pp.1370-1372
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209194
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はじめに
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)はコロナウイルスの1つで,RNAウイルスの一種(一本鎖RNA)である.コロナウイルスは自律複製することはできず,ヒトの粘膜細胞などに付着し入り込んで増殖することが知られている.増殖したウイルスは,感染者のくしゃみや咳などのしぶきが飛び散り,それを吸い込むことで感染する(飛沫感染).
新型コロナウイルスの感染を調べる方法として,遺伝子検査や抗原検査,抗体検査が挙げられる.このなかでも感度の高い遺伝子検査は,等温核酸増幅法とPCR(polymerase chain reaction)法に大きく分けることができる.等温核酸増幅法にはLAMP(loop-mediated isothermal amplification)法やTMA(transcription mediated amplification)法などがあり,PCR法よりも比較的短時間で測定することができる.
これらの遺伝子検査は感度が高いため,コンタミネーションを起こさないようにすることが必要である.
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