増大号 匠から学ぶ 血栓止血検査ガイド
3章 検査プロセス
血小板数/MPV
冨山 佳昭
1
1上ヶ原病院内科
キーワード:
血小板減少症
,
EDTA依存性偽性血小板減少症
,
巨大血小板減少症
,
血小板増多症
Keyword:
血小板減少症
,
EDTA依存性偽性血小板減少症
,
巨大血小板減少症
,
血小板増多症
pp.934-937
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209083
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はじめに
血小板数は,血小板の産生,破壊,分布のバランスにより一定数に保たれている.
血小板産生に関して,血小板は骨髄において巨核球より産生される.巨核球はトロンボポエチンなどのさまざまなサイトカインにより造血幹細胞から分化・成熟する.巨核球の分化・成熟過程は極めてユニークであり,成熟とともに核のDNA量は増加するが,細胞質の分裂は起こらず多倍体となり大型化し,最終的に巨核球は血管類洞の近傍に局在し,血管内腔にproplateletと呼ばれる突起様構造物を伸展させ,血小板を血管内に放出する.
血小板破壊に関しては,放出された血小板は循環血液中で約7〜10日間の寿命を有し,老化とともに主として脾臓,肝臓の網内系にて破壊され処理される.
生体内での分布に関しては,血小板全体の約3分の1は脾臓内に分布している.そのため,脾腫や脾機能亢進があると,分布異常のため血小板数が減少する.循環血液中の血小板数は,これら産生,破壊,分布のバランスが崩れることにより血小板減少や血小板増多をきたす.
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