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あとがき・次号予告
大楠 清文
pp.604
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209000
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この「あとがき」を3月中旬に書いておりますが,COVID-19の第8波が収束して,8日に開幕した第5回「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)が大きな盛り上がりを見せています.本号がお手元に届く頃には,侍ジャパンのWBC優勝で歓喜の余韻に浸っていることを心から願っております.
さて,本号の「技術講座」には,微生物検査の基本的かつ極めて重要な「抗酸性染色」と「病原細菌用免疫血清の使い方」が掲載されています.主治医が結核を疑っていない症例において,喀痰のGram染色でガラス傷のように透けて見えた場合に,微生物検査技師が機転を利かして抗酸性染色を追加で行い,菌体が観察され,培養・同定検査の追加オーダーを示唆したのみならず,感染管理においても主治医に感謝されて「微生物検査技師冥利に尽きる」経験をお持ちの方々もいるかと思います.同定検査では,技術革新ともいえる質量分析装置が導入された現在においても,赤痢,腸チフス,パラチフス,コレラなどの三類感染症の診断には免疫学的検査は必須です.これら2つの総説には,抗酸性染色や病原細菌用の免疫検査の押さえておくべき考え方や技術の具体的なポイントとコツがわかりやすく解説されていますので,ぜひご一読いただければと思います.
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