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本号には「第68回臨床検査技師国家試験」の解答と解説が掲載されています.3月23日の合格発表によれば,新卒は4,092名受験して3,537名の合格で,合格率は昨年よりも5.2%ダウンして86.4%,既卒を含めると3,729名の合格,合格率75.4%でした.2年以上にわたる新型コロナウイルス感染症の影響を受けて,入構制限や対面授業の中止などで受験勉強は困難と苦労の連続であったことと思います.合格された皆さま,本当におめでとうございます.
2015年にオックスフォード大学と野村総合研究所によって「20年後までに日本の仕事の約50%が人工知能やロボット等で代替可能になる」との見通しが公表され,AI(人工知能)の技術の発展によって“なくなる仕事(代替可能性が高い)”と“残る仕事(代替可能性が低い)”が話題となり,おのおの100種類の仕事が列記されましたが,“臨床検査技師”はどちらにも含まれていませんでした.その本質として,まさしく言い得て妙な提言が2019年に日本臨床衛生検査技師会「臨床検査技師あり方推進ワーキンググループ」から公表されています.『AIはあくまで「道具」であり「道具」には必ず「使う人」が必要となる.つまりAIは我々にとって仕事を奪う「脅威」ではなく,人間と「共存」していく存在となっていくと予想する.実際の医療現場では患者を中心としての業務であり,複雑な表現を交えたコミュニケーションが必要であるが,臨床検査技師がこれからのAI時代を生き残るためにはAIを活用できる人材の育成を急ぎ,AIと共に「コミュニケーション力」を磨き患者の近い場所で業務を実践し,他医療職に信頼される職種になっていくことが必要と考える』.
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