臨床医からの質問に答える
尿混濁の原因には何がありますか?
金沢 聖美
1
1東北大学病院診療技術部検査部門
pp.594-598
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208996
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はじめに
尿の成分はほとんどが水分であり,尿素,クレアチニン,尿酸などが数%含まれており,通常有形成分は含まれず淡黄色で透明である.尿の混濁は有形成分の増加によって生じており,主にその成分は①塩類・結晶類,②血球,上皮などの細胞系成分,③外来混入物に由来する.排尿直後から混濁を示すものや,放置によって混濁が増強するものなど多様である.特に病的混濁の場合は,尿の外観色調により内容物を推測し,尿沈渣検査により原因を把握することが可能となる.図1のように尿の外観色調は疾患によって異なり,スクリーニング検査として大まかな疾患鑑別の推測に役立つことから,検査前の混濁の有無の確認は必須であり重要な推測検査となる.
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