けんさ質問箱
尿沈渣中のビリルビン結晶
斉藤 由喜子
1
,
N子
1帝京大学病院中検
pp.1350-1351
発行日 1989年9月1日
Published Date 1989/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205727
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問 定性試験(ジアゾ化法〔試験法〕による)で尿ビリルビン陰性,血清ビリルビンも正常で,尿沈渣中にビリルビン結晶をみることがあります.微量ですが,白血球内に貧食されているので,ビリルビン結晶に間違いないと思います.このようなことはあるのでしょうか.あるとすれば,どのように考えたらよいのでしょうか.(金沢県・N子)
答 尿沈渣でビリルビン結晶を認め,定性検査で陰性あるいは偽陰性であり,血清ビリルビン値も正常値内であるという症例は,経験します.ビリルビンが微量でも結晶化したことを示していますが,白血球や上皮細胞にほんのわずかビリルビン結晶またはビリルビン顆粒が付着している程度で,細胞成分の黄染は認められないことが多いようです.このような症例の場合,数日前あるいは数日後に尿定性ビリルビン陽性または血清直接ビリルビン値が高値を示しており,尿沈渣ビリルビン結晶のみが認められ,他の検査所見はすべて正常ということはありません.また新生児黄疸では,尿沈渣中にビリルビン結晶を認め,細胞も黄染していても定性検査で陰性のことが多いです.
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