グラフ
尿沈渣の結晶
林 康之
1
1順大臨床病理
pp.341-342
発行日 1964年6月10日
Published Date 1964/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200305
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尿沈渣にみられる結晶が直接臨床診断に役立つことは少なく,参考所見程度に止まることが多い。またこれらの結晶は同一物質であっても,その場合の条件によって形態が幾通りにもなり,決して一様ではない。しかも,結晶の形態から当該物質を同定することは必ずしも簡単に出来るとは限らない。それ故,臨床的な研究の対象としては病態生理,生化学の面から未だとり残された部分であると言えよう。現在参考所見として診断学教科書に記されているのは,肝障害時のロイシン,チロジン,チスチン尿症あるいは小児重症消化不良症にみられるチスチン,また先天性疾患であるoxalosisにみられるシュウ酸石灰結晶などで,実際に観察される数多くの結晶が問題になることは比較的まれである。
以下稀れではないが比較的頻度の低い結晶を示す。
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