連載 生理検査のアーチファクト・36
—平衡機能検査④ 重心動揺検査—患者の理解不足による影響
工藤 弘恵
1
1埼玉医科大学病院耳鼻咽喉科神経耳科部門
pp.733-736
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208051
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重心動揺検査とは
今回は体平衡系の検査として,重心動揺検査に関して紹介する.
重心動揺検査とは,直立起立姿勢時に現れる体の重心の動揺を測定し,平衡機能を評価する検査である.人は直立起立姿勢時には視覚系,内耳(前庭・半規管系),体性感覚系(筋・腱深部受容器系)からの入力を中枢神経系(小脳,脳幹,脊髄など)で処理し,その情報を四肢・軀幹の骨格筋に出力し“偏倚(へんい)”(身体が倒れそうになること)と“立ち直り反射”(偏倚を元に戻そうとする働き)を無意識に繰り返しながら直立姿勢を保っている.そのため,人は直立時には常に微小な揺れが生じている.
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